相続法改正 2019年7月1日施行(介護した嫁にも相続財産を)

現在の民法では、被相続人の介護や療養のために尽くして被相続人の財産が増加または維持された場合に、その相続人に対して相続分を増やす「寄与分」という制度があります。

しかし、これは相続人に限り、相続人ではない長男の妻や、甥、姪などがいくら被相続人のために尽くしても、相続財産をもらうことは認められていません。

しかし、改正後は、6親等内の血族と3親等内の姻族については、相続人でなくても寄与に応じた財産を請求する権利が認められました。

 

しかし、当然にもらえるのではありません。「請求する権利が認められただけ」なのです。

つまり、「私は3年間、ずっと義理の親の介護をしてきたのだから相続財産を下さい」と言えるけども、他の相続人が拒否すれば、家庭裁判所に審判の申立をするしかないのです。つまり、裁判を起こせる権利が与えられたということです。

「じゃあ、審判の申立をしてください」と言われても、財産を分けてくれと主張するからには、具体的にどれほどの介護や療養に尽くし、そのおかげでどれほどの被相続人の財産に影響を与えたかを証明することが必要となります。なかなか困難な作業です。

 

なので、今回の改正で「介護した嫁にも当然に財産がもらえる」と安易に理解しないように注意が必要です。

テレビのワイドショー的には「介護した嫁も財産がもらえる」と、はやし立てることが容易に想像できますが、真に受けないように気を付けましょう。

「私は自分の生活を犠牲にして、仕事も辞めて、いろんな費用も立て替えてがんばってきたのに」という人は、それらを全て記録しておくことが必要です。

でも、一番良い方法は「遺言」を残してもらうことです。
そうすれば他の相続人とトラブルになる心配はありません。

 

 

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相続法改正 2019年7月1日施行(相続人の一部が財産を使い込んでた場合)

2.相続人の一部が財産を使い込んでた場合

相続財産として預金が2000万円残っています。

相続人は、配偶者、子供A,子供Bの3人です。

法定相続分では、配偶者が1000万円、子供それぞれが500万円づつになります。

ところが、子供Aが被相続人の財産1000万円を使い込んでいました。

こうなると本来の相続財産は3000万円ですので、配偶者が1500万円、子供は750万円づつになります。

しかし、子供Aは1000万円使い込んでいるので750万円はもらえずに、750万円は配偶者と子供Bに500万円と250万円を分けることができます。

当たり前のことのように思えますが、改正前は使い込みされた1000万円を相続財産に算入することができませんでした。

 

遺産分割前に相続財産の調査をきちんとしておけば、使い込みがされた財産分は使い込みをした相続人に渡らないようにできます。

 

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相続法改正2019年7月1日施行(預金の払い戻し)

2.預金の払い戻し

人が亡くなったことを金融機関が知ると口座は凍結されます。

その口座を解約するには、現状は、相続人全員の協力が必要です。

実務的には、金融機関に行って手続きの書類を受け取りますが、その書類には相続人全員の実印を押印して印鑑証明書を添付しなければなりません。

このため、相続人のうち一人でも協力を拒否すると預金の解約手続きはできません。つまり、預貯金は永遠に払い戻すことができないのです。

まあ、そのうち時間をおけば解決するだろうと余裕がある人は良いのですが、たちまち葬儀代や法要の費用を支払うためすぐにでも預貯金の払い戻しを受ける必要がある人などのため、7月から、預金の総額の3分の1のうちの自分の相続分までは払い戻しを受けることができるようになります。

この手続きは比較的簡単ですが、金額に制限があるので、これでは葬儀代等に足りない場合などは、家庭裁判所に申し出て認められれば必要な金額の払い戻しを受ける制度も設けられました。

 

つまり、今までは預貯金が凍結されると払い戻しを受けることができなかったが、7月1日から上記の2つの方法を利用して払い戻しを受けることができるようになるということです。

 

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