妻へ自宅を残したい。遺言か生前贈与か?

1か月ぶりの投稿です。

妻、子供2人が相続人になる場合に、子供との折り合いが悪く、相続開始後にトラブルになりそうな時

自宅だけでも妻に残したい場合は遺言を残せばいいのか、生前に贈与した方が良いのかという相談がありました。

この案件は今年の民法改正が関係する事案で、慎重に検討する必要があります。

生前贈与は原則として相続財産に算入されます。

民法改正前であれば、相続開始前に妻に自宅を贈与していても相続人全員の相続財産として分配しなければなりませんでした。

しかし、民法改正により、配偶者への自宅の贈与は相続財産に算入しないこととされました。

なので、生前に贈与しておけば安心です。あとは、税金の問題だけです。

遺言で妻に自宅を相続させることにした場合、子供から遺留分を請求されると、遺留分相当額を金銭で渡さなければなりません。

自宅以外に預貯金があればこの方法でできますが、預貯金があまり無い場合には十分な対策とはいえません。

ケースバイケースで、遺言か贈与かを慎重に検討しなければなりません。

民法改正により、従前の取り扱いと異なっていますので、改正法を正しく理解している専門家に相談する必要があります。

 

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遺留分相当財産を渡した側に税金が来る?

相続法の改正により、遺留分請求は現金で請求することとされました。

ところが、十分な現金が無いため、遺留分請求者に遺留分請求額相当の不動産の持分を渡す場合があります。

たとえば、配偶者に全財産を相続させるという遺言があり、子供が遺留分請求した場合に次のようなことが起こります。

子供の遺留分請求額は1000万円だとして、現金が500万円しか無い場合に、残りの500万円分として1000万円の不動産の持分2分の1を子供に渡すことになろうかと思います。

なんてことないように思えますが、昨日の日経新聞の記事によると、この500万円は現金の代わりに不動産を渡すということで、代物弁済にあたり、500万円について渡した側、つまり親について、約20%の税金が課税されるということだそうです。

税金の専門家は税理士ですので、詳しい説明はできませんが、お金が無いからといって不動産の持分を渡した親に100万円近い税金がかかるということらしいです。払えませんよね。

確かに、同じような話で、離婚による財産分与で、元夫が元妻に不動産を譲渡した場合には元夫に譲渡所得の課税がなされるというのを聞いたことがあります。これと同じ理屈のように思えます。

いずれにしても、今後、遺言をする際は遺留分についてよく検討したうえで作成する必要があるということです。

専門家に遺言の相談に行った時に、遺留分の説明をしっかりしてくれない時は別の専門家に相談することをお勧めします。

遺言は作って終わりではありません。執行時にトラブルになっても、もう遺言を作った人は無くなっているので書き換えることはできません。

しっかりと説明を聞いて、納得してから作るよう気を付けなければなりません。

 

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ドンファンの遺言

テレビで、和歌山のドンファンの財産が、遺言に従い田辺市に寄付されるとの報道がありました。

そのことに関し、兄弟が遺言の無効を訴えるとのことです。

この件に関しては、2つの問題点があるので、少し分かりにくいかと思います。

1つ目は遺留分の問題です。

相続人が、配偶者、子、親の場合は本来の相続分の半分について遺留分というものが認められています。

兄弟には遺留分がありません。

このため、全財産を田辺市に寄付すると遺言があっても、妻は半分もらう権利がありますが、兄弟にはありません。

遺言が無ければ、ドンファンには子供も親もいないので、配偶者と兄弟が相続人になります。

しかし、この遺言のせいで、兄弟には相続財産を受け取る権利が無いのです。

そこで、2つ目の問題点、遺言が無効であるということです。

兄弟からすれば、遺言が無効でさえあれば遺留分権利者として財産がもらえるのです。

遺言は自筆で書かれているので、形式的要件は満たしているものの、本人の自筆か、本人の真意かというところが争われるポイントになるのでしょう。

 

この件から学べる事として、遺言を作成するには次のことに気を付けるということです。

1.遺留分に配慮した遺言を作成すること。

遺留分は請求されなければ、財産を分ける必要はありません。しかし、遺言執行者は遺言の内容と財産目録を相続人に知らせる義務があります。それを見て、財産はいりません、となる可能性は低いと考えておいた方が良いと思います。残された相続人が遺留分を巡って争うより、最初から遺言で遺留分のことを書いておいた方が良いと思います。

2.遺言は公正証書で行う。

自筆証書遺言は手軽ですが、後日に紛争性を残す可能性があることを肝に銘じておかなければなりません。

遺言者だけが遺言書に関与しているので、書いた当時の状況が誰にも分からないから、「あの時は○○に脅されていた」「認知症だった」など遺言の作成に関して疑義を残すことになります。

ドンファンの遺言も、公正証書遺言であれば、遺言の無効で争うのは、より困難になると思います。

なぜなら、公証人と証人二人で本人確認、意思確認をしているためよほどのことが無い限り、これを覆すことは困難だと思います。

 

せっかく遺言を残しても、残された相続人間で争いになるような事態はなるべく避けなければなりません。

遺言を残されたいと考える方は、少なくとも上記の2点にご注意下さい。

 

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